配布法話「お正月のおはなし」ウサギの仏教説話から
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2023年がはじまりました。
今年はウサギ年、ということで、ウサギさんの有名な仏教説話から配布法話を書いてみました。
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お正月のおはなし
お正月のおはなし
一年をお念仏で始められること、おめでとうございます。
ウサギ年ですのでウサギの仏教説話をご紹介します。
昔、インドに仏道を歩むウサギ・猿・狐がいました。ある日三匹は倒れた老人を見つけて助けることにしました。猿は木の実、狐は魚を与えましたが、ウサギには与えるものがありません。ウサギは猿と狐に火を焚くように頼みました。火が起こるとウサギは「私の肉を食べてください」と言い、火の中に飛び込んでしまいました。それを見た老人は帝釈天に姿を変え「ウサギは自らを捨てて布施をした。誰かのために自分のものから手を放す、貴い布施の心だ。貴い心を忘れないように、月に姿をうつそう」と月にウサギを描きました。それ以来、月にウサギの姿が見えるのです。
さて、どう思われましたか?
ウサギの布施は貴いですね。でも誰にでも出来ることではないし、猿と狐はすごく悲しかっただろうなあと思います。
親鸞聖人は仏教・お念仏に出あったからこそ「小慈小悲もなき身にて 有情利益はおもふまじ如来の願船いまさずは 苦海をいかでかわたるべき」とご自身の心を見つめられました。「私には小さな慈悲の心も起こらず、誰かを助けようとする心も起こらない。だからこそ、仏になるには阿弥陀さまにおまかせするしかない」と仰るのです。
ウサギの布施も貴くカッコいいのですが、私は親鸞聖人のように、そこまでは出来ない自分を見つめて、お念仏もうしながら身近な人々と生き切っていく生き方がありがたい気がしています。 南無阿弥陀仏
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